第三弾 キャストとスタッフへインタビュー②

高校生スタッフインタビュー企画第三弾!


今回のメンバーは、写真左から高校生スタッフの谷川清夏さん(以下:きよか)、松川小百合さん(以下:まっちゃん)、高校生キャストの池田衣穂さん(以下:イオ)、関彩葉さん(以下:サヤハ)、土本燈子さん(以下:トウコ)の五人です。

『わたしの星』で会う以前から知り合いだったという人たちに集まってもらい、稽古場や舞台上だけでは知ることのできないプライベートな話をしてもらいました。

(司会進行:大鋸塔子、編集:鶴飼奈津美、撮影:鶴飼奈津美)


皆さんが具体的に誰と何で知り合いだったのかを教えてください。


トウコ 関さんとは中学校が同じで、結構親密な仲でした。イオとは、『世田谷区パブリックシアター演劇部中学生の部』っていうワークショップで一年くらい一緒にやってました。きよかとは、中高生向けの団体の『北区AKT STAGE演劇部』で、二年間ぐらい演劇をやってました。だから、このインタビューは私のための楽しい会みたいな感じになってます。


サヤハ 私はご紹介に預かりました通り、土本燈子さんと中学校で同じだっただけっていう。きよかちゃんは、トウコちゃんの舞台を見に行ったときにいらっしゃった茶髪の方ってイメージで……。


きよか そうなんだ!きよかは関ちゃん(サヤハ)は全然知りませんでした。


イオ 私は、トウコと同じ『世田谷区パブリックシアター演劇部中学生の部』にいました。途中でトウコが脱退して、その後も私は続けていたんだけど、そしたらそこにまっちゃんが参加してきて、それからずっと一緒だよね。トウコは脱退して久しぶりに会ったから、再会感がすごかった。


きよか トウコがオーディション受けること知らなかったの?


イオ そう。オーディションで「あれ?トウコ?」みたいな。ここにはいないけど、ジュンもワークショップで会って、知り合いなの。それで、ジュンもオーディションの時にあれってなった。


一同 狭〜い!


イオ まっちゃんとは『わたしの星』のオーディションも一緒に行こうって言って受けました。ワークショップじゃないところで一緒に演劇やったりもしたし。


まっちゃん 千歳烏山で路上演劇祭っていうのを毎年やってて、そこでユニット組んで、自分たちで二十分くらいの演劇作ってた。


サヤハ 二十分って結構大変だね。


トウコ きついよね。


きよか ちなみにユニット名は……?

(左からまっちゃん、イオ)


まっちゃん・イオ ……。


サヤハ ちょっと恥ずかしいよね!


トウコ 秘密だよ!それは言わないよ!


サヤハ 墓場まで持ってくんだよ。

(サヤハ)


サヤハとトウコは演劇関連ではなく学校での知り合いだったということですが、今同じ場所で演劇をやっていることについてはどう思いますか?


サヤハ 一緒に演劇を作ったことないので、「何でこの中学校の友達がなんでここにいるんだろう」って違和感はあります。


トウコ 親戚がいる感じ。一番恥ずかしい、見られたくないところを見られてる感じ。関ちゃんは関ちゃんで演劇やってたから、初めて一緒にやることになって、ずっと変な感じだよね。


サヤハ ずっと違和感。異物混入って感じ。


今回の役と普段のイメージで違うところや似ているところはありますか?


トウコ 関ちゃんとイオは役と普段が近いと思います。関ちゃんは、結構ベラベラ喋るツッコミ役、みたいな。イオも役と近くて、頭きれるっていうか全体がよく見えてる、って感じする。


イオ あら(嬉しそう)。


サヤハ 私、トウコちゃんがすごい怒る、場をたしなめるのが違和感でしかなくて。中学の時は、本っ当にね、ひどい性格だったんです。だらしないし。


トウコ これ書かないで。これは書かないでね。


サヤハ 「そんな奴が何、場をたしなめてるの?」ってちょっと思いました。


きよか でも北区の劇団で一緒にやってた時はリーダーシップがあって、「早く始めよう、ここもっとこうした方がいんじゃない」っていうのはあった。私もトウコがめっちゃキレてるのは違和感あります。すごいツンツンしてるじゃん、台本の中で。柴さんからはそんなふうに見えるんだなぁって 。


まっちゃん 真面目なんだよ。


トウコ (笑)。

(トウコ)


みなさん同い年ということですが、劇中はイオが一年生でサヤハ・トウコが三年生ですよね。学年差で違和感を感じることはありますか?


一同 うーん、ないね。


きよか イオちゃん一年生役なの、納得。


サヤハ ちっちゃい。


イオ サヤハに言われたくない!あんまり変わらないよ。私、自分から一年生やりたいですって言ったから、通って嬉しいの。


トウコ 私、一年生やりたいって言ったけど通らなかった。ツンツンした役ばっかりやってて、はっちゃけるっていうか何も考えてない役みたいなのやったことなかったから、やりたいなぁって思ったけど……三年生役になりました。


サヤハ でもすごいしっくりくる、この学年 。


今までやっていたところと違う環境で芝居をしていて、普段と違うな、と感じるところはありますか?


まっちゃん 私、一緒に演劇作ってた時のイオは元気、明るい、天真爛漫、無邪気みたいなイメージで。どうしても二人とか四人とかで作ってる演劇だとできることって限られてくるから、別のところで柴さんに演出してもらってるイオを見るのがすごく面白かった。


トウコ めっちゃいい友達じゃん。うらやましいな。


まっちゃん 「イオ、こういう演技できるんだ」とか、見ている側としてはすごく面白かったです。

(まっちゃん)


きよか トウコは一緒にやってたときは、年下の子が多いからリードしてあげなきゃみたいな意識があったと思うんだけど、今は同じぐらいの歳で、同じぐらいのレベルでのライバルがうじゃうじゃいるから、必死感がある。


まっちゃん 切磋琢磨みたいな、みんな協調して張り合って高みに……っていう感じは見える。


サヤハ 競争心みたいなね。


まっちゃん 演劇やりたい人が集まってるっていうのがすごくいいよね。


トウコ あ〜わかる!いい環境にいるな〜って思うよね!スタッフもキャストもこんな環境もうないじゃん。


サヤハ そう思う。いい環境だよね。


イオ いくらでも学べるから、自分のことで一生懸命になっちゃうだけだとなんかもったいないなって。確かにこなしてるだけでも作品として完成するかもしれないけど、自分の中で「もっといろいろ得られたはずなのに」ってなりたくないな。

(イオ)

きよかちゃんとまっちゃんは以前演じる側にいたということですが、今回スタッフという役職で関わって気付いたことはありますか?

まっちゃん 自分で演じてる時はどう動いてるのかとか変化が見えないから、外に出てみて、例えば柴さんがこういうふうに言って変わったとか、ビフォーアフターがすごいはっきり見えて面白い。言い方もいろいろあるんだなって見てて思ったりしたよね。変わる言い方と、変わらない言い方がある。


きよか アドバイスの仕方で全然違うよね。


まっちゃん でも私ももうちょっと仕事らしい仕事をしなきゃと思いつつ8月も半ば……。


一同 いやいやいやいや、やってるやってる。


きよか 稽古見てて面白いよね。あと制作の仕事がいろいろあって楽しい。特設サイト開設して更新したり、当日パンフレット作ったり、仕込みの手伝いしたり。ロビーの装飾とかも考えてます。企画したインタビューも学ぶことたくさんある。スタッフの仕事とは別に、『北区AKT STAGE演劇部』でまたやる時も、もっと頑張ろうって思うようになりました。

(きよか)

多様な演劇経験があるみなさんですが、『わたしの星』の特徴は何だと思いますか?


きよか 『わたしの星』は、柴さんが当て書きで書いてるから、一人一人の個性が前面に出てる感じがする。


まっちゃん いろんな演劇の作り方があるけど、これはちゃんと一人ひとりを見て作られてるよね。


サヤハ 今柴さんが書いてくださってる台本がすごくしっくり来るっていうか、トウコとのシーンも「言ってないはずなのに、私の思ってること代弁してくれてる?」みたいに思う時もあって、すごいちゃんと見て書いてくれてるんだなって思いました。


きよか 柴さんめっちゃ見てるよね。


トウコ まだ稽古最初の方、関ちゃんと話してたとき、不意に見たら柴さんが、すごい見てて、こう(柴さんのモノマネ)。


一同 爆笑


きよか 男性陣インタビューの時に、柴さんが「ジェネレーションギャップが怖くて、休み時間のやりとりもよく見るようにしてます」って言ってたよ。


サヤハ 私たちはそれを「神の眼」って呼んでた。


トウコ つまらないこと言ってないかなーってすっごい焦って、怖かった。神の眼は、全部を見透かされてるっていうか……。


サヤハ 「お前今こういうことでふざけようと思って言ったな」とか、私の嫌な心も全部!何か言う度場が凍るような気がして。


トウコ サヤハと二人で稽古終わりに反省会してました。「タイちゃん面白かったね……私たちこれからどうする?」とか「柴さんに愛されてない……」って……。

(左からサヤハ、トウコ)


サヤハ その結果、やっぱり柴さんはすごいから、できるだけ愛されたいっていうか。


トウコ つまるところそうだよね。こんなうじうじしてたら夏終わっちゃうから、私たちも頑張らないとねって。


きよか 俳優としての発言が切実すぎる…。


サヤハ これ公開されたらもう柴さんの目見れないじゃん(笑)。


きよか 「あ〜トウコさんそんなこと思ってたんだ」「あ〜サヤハさんそんなこと思ってたんだ」(柴さんのモノマネ)。


まっちゃん 「へ〜愛されたいんだ」(柴さんのモノマネ)。


最後に意気込みをお願いします!


きよか スタッフのみんなの仕事とか、キャストのみんなの頑張りで、だんだん『わたしの星』っていう作品ができていく様子を、見れるのも嬉しいし、そこに関われてるっていうのも嬉しいです。なのであと二週間、走り抜けたいと思います。


まっちゃん 私、今受験生で、本当なら勉強しなければいけないんだけど、なぜかこういう所にきてしまっていて。「なんで受験生なのに勉強してないんだろう」みたいになる日が結構あるんですけど、この夏が終わって、私が大人になっても、「やっててよかったなあ」って思えるように、あと少し、行きます。


イオ 楽しんで終わらせることもできるけど、それだけじゃなくて、いろんなことを学びたいと思います。千秋楽まで、いろんな人からいろんなことを盗んでいきたいと思います。


トウコ 一般受験なんです、センター受験なんです。でもそれだけで終わらせたくないので、楽しむだけじゃなくて、みんなと一緒に成長できる、意味がある夏にしたいです。


サヤハ 最近ふとした瞬間に、「本番まであと少しだ」とか考えて、お芝居もとちったらもう終わりみたいなことが多くて、不安の波に襲われることもあるんですけど、でも、やるしかないので、やります!!

ままごと『わたしの星』

2017年8月17日[木]‐27日[日] 三鷹市芸術文化センター 星のホール 作・演出|柴幸男

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