第四弾 キャストとスタッフへインタビュー③

『わたしの星』の魅力を深める大きな要素、その一つに音楽があります。

インタビュー第四弾では、音楽という観点から、本作品、また、それに関わる高校生たちの魅力に迫ります!

メンバーは、写真左から、高校生キャストの日比楽那さん(以下:ひびらな)、札内萌花さん(以下:もえか)、高校生スタッフの圓城寺すみれさん(以下:じょーじ)、鶴飼奈津美さん(以下:つる)。それぞれ、『わたしの星』以前から音楽に関わっていた四人に集まってもらいました。

(劇場入り直前の8月6日にインタビュー)(司会進行:松川小百合 編集:大鋸塔子 撮影:塚田真愛)


まずは、みなさんのこれまでの音楽経験について、教えて下さい。
ひびらな 中二の時からミュージカルスクールに通っています。中学の軽音楽部でバンドを始めて、それも中二から続けています。バンドではずっとベースでしたが、ギターも個人的に弾いています。

もえか わたしは小学校の頃から去年まで、英会話学校のミュージカルコースに通ってたんです。メインキャストをもらえるように、中三からの二年間は歌も習ってました。

ジョージ 小学校から中学までずっと、地元の団体でミュージカルをやってました。

つる わたしは歌じゃなくて楽器をやってます。小学校では金管バンドクラブ、中学では吹奏楽部に入ってました。中学の途中でオーケストラも始めて、それは今も続けてます。ずっとパーカッションです。


音楽経験のあるみなさんですが、音楽をずっと続けていて飽きることはありませんか?
つる ほんとに好きでやってるので、飽きはしないです。音楽はずーっと続けられてて、逆に言えばそれしかやってない。

ジョージ 飽きるっていうより、合うかどうかの問題なのかもね。多分、もえかちゃんやわたしには、ミュージカルが合ってたんじゃないかな。ミュージカルは、ピアノみたいに家で練習することが多いものより、その場で学ぶこと、感じることが多いから。
(ジョージこと、圓城寺すみれさん)

もえか わたしも飽き性でずっと続くものがなかなかないんだけど、ミュージカルが唯一続いてるのは宿題がないのが大きいよね。

ジョージ そうそう。もちろんミュージカルも、セリフ覚えたりとかはあるけど、舞台に立ってみてわかることが多いからね。


『わたしの星』に応募した理由は何ですか?
もえか お姉ちゃん(初演『わたしの星』スピカ役:札内茜梨さん)のときからの知り合いから紹介してもらったんです。周りを固められて、これはやるしかないなと思って応募しました(笑)。でも、一次のオーディションでは熱意もそんなになくて。ほんとにやる気出てきたのは二次からかな。
(もえかこと、札内萌花さん)

それで、どうして二次からやる気が出てきたんですか?
もえか その時は学校もやめてたし、自分に誇れるものがあんまりなかったの。だけど一次に受かってちょっと自信がついて、「やろう」って思い始めたんです。

ひびらな 今までは、三歳から高校生までが一緒に通うようなミュージカルスクールでお芝居をしてたんです。でも中高生になって、その他にももっと色んな舞台に立ちたい!新しい世界を見てみたい!って思うようになって、キャストに応募しました。それに、『わたしの星』の募集を見たときに思ったんです。「この作品に出たい!」って。それで、わたしはすごくやる気でした。オーディションを受けに劇場までの道を歩くときも、「わたしはこの夏、絶対ここを歩く!」って思って歩いてた。 
(ひびらなこと、日比楽那さん)

もえか 熱い女だ(笑)。

ひびらな うん。わたし、中学受験して東京にでてから、まだ知らない面白いことがたくさんあるって知って、そういう楽しいことを探してたんです。バンドを始めて、それも楽しいけど上手くはなくて。いろんなことやって、向いてない向いてないって思う中で、すごくやりたいなって思ったのはお芝居だったんだ。だから、すごくやる気だった。

ジョージ わたしの場合は、ミュージカルの先生が勧めてくれました。舞台を観て作品についてじっくり考えるのが好きだったので、舞台を創ることに興味を持ってたんです。今回はスタッフとして舞台の裏側をみてみたくて、劇作部門に応募しました。歌が苦手だったし、演じる側は向いてないかなって思ったのもあって。

つる わたしも、これが自分の強みになるといいなと思ってスタッフに応募しました。わたしにはパーカッションしか誇れるところがなかったから、他にも何かやりたくて。
(つるちゃんこと、鶴飼奈津美さん)

それで、どうして運営部門にしたんですか?
つる 観劇が好きで、そこで貰ったチラシを見て、制作とか、スタッフクレジットにある役職に興味を持つようになったんです。
観劇は音楽好きからきた趣味で、最初はミュージカルの曲が好きでミュージカルを観てたんですけど、そこから舞台が好きになってストレートプレイも観るようになりました。

それぞれ、様々な想いで『わたしの星』に応募していますが、この舞台に参加していて、やってみたいことはありますか? 
もえか ひびらなは歌いたいんでしょ?

ひびらな いや、わたしは、歌いたいけど上手く歌えないっていうコンプレックスがあって、歌える人になりたいんです。でも、この舞台では全然歌いたくない。むしろ踊りたい!フォークダンスを踊るのが楽しい!
ジョージ あれは観てるのも楽しい。回ると制服のスカートがふわっと広がるのが綺麗なんだよね。
 
もえか 歌うのは恥ずかしいから、じゃあハモリやろう、ハモリ(ひびらなに向かって)。

ひびらな ハモるのは本当に難しいよね...!修行します。

つる わたしは……制作らしい仕事をもっとしてみたい。今してるのも制作の一部だけど、他にも色々やってみたいなぁ……って。

もえか 今って、運営スタッフはままごと制作の仲葉さんのサポートをしてるの?

つる いや、自分たちで企画したことを色々とやってる。だけど、運営スタッフの三人だけになりがちで。自分たちの中だけで仕事を完結させていいのかって不安になる。やっぱり、みんなともっと関わりたいなぁ、仕事を通して仲良くなりたい。運営スタッフは稽古から離れがちだから、キャストのみんなは、わたし達が何やってるかわからないでしょ?
(つるちゃんこと、鶴飼奈津美さん)

ひびらな 確かに、知りたい!

もえか じゃあ、報告し合おうよ。

つる そうだね、そういう交流を、もっと積極的にします。

ジョージ わたしは、今仕事をひとつひとつやるのに精一杯だなあ…。みんなに還元できてるか不安だから、もっと役に立てるように頑張ります!

ミュージカルなどお芝居や音楽に関わりのあったみなさんですが、今回、音楽要素も注目される『わたしの星』で、実際に稽古をしてみて感じたことなどありますか?
ひびらな  音楽が好きなので、舞台で演奏するのも楽しくて。元々、オーディション受けるときはこんなに舞台で演奏をするとは思ってなかったから、稽古の中でこんなに音楽に触れられてラッキーだなと思ってます。

つる わたしも公演の中で演奏があるのは知らなかったけど、稽古に来て、楽器がたくさんあるのは嬉しかった。柴さんに言われてタンバリン叩いてみたり、そうやって音楽に関われるのは楽しい。
じょーじ わたしは、柴さんの劇の作り方が、あたしが今までやってきたのとは全然違うことにびっくりした。でも、今回みたいにいろんなことを試しながら劇を創っていくのはすごく面白い。
もえか 今までは、そのまま練習できるようにすでに完成してる音源が送られてきてたから、音楽も舞台も、こうやって、ひとりひとりを尊重して工夫を加えながら、みんなで作り上げていくのがすごく楽しい。みんなすごいよね!

ジョージ それぞれが個性的だし、普通の学校じゃ味わえない感じだよね。 

改めて、音楽という観点からみた『わたしの星』の見どころはどこだと思いますか?
ジョージ やっぱり、みんなで曲を演奏するところじゃないかな。

つる うん。キャストには楽器経験のある人もいるけど、したことない人の方が多いよね。それなのに音楽として成り立ってるのはすごいことだから、そこはぜひ見てほしいです。 

ひびらな そうだね、みんなで演奏するのは楽しいし、演奏してる方も舞台に上がってる方も安心感がある。そうやって出来てるから一つの舞台に広がりが生まれるんだと思います。そういう、舞台のすぐ横で、お客さんと対面して弾くからこその広がりも、感じてもらえればいいなぁって思いますね。
(ひびらな)

最後に、意気込みをお願いします!
つる キャスト達にも、もちろん仕事にも、もっと積極的に関われるようにしたいです。制作チームは当日もやることが多いので、公演中の仕事もしっかりしていけたらいいなって思います。

もえか とにかく、一生懸命やりたい。柴さんの舞台は、何回も同じ場面を繰り返し稽古したりするから、その都度全力を出すのかって戸惑うこともあるんだけど、精一杯、悔いがないようにできたらいいなって思ってます。柴さんと、みんなとつくる舞台だから、絶対素敵なものになるって予感がするんです。だからわたしも、その一部になれてたら嬉しいなと思います。

じょーじ もっと頑張るのもそうだけど、このメンバーでできるのも残り少しだから、みんなと一緒に、楽しく、とにかく楽しくできたらいいなと思います。
ひびらな わたしは、みんなが面白いから、自分がつまらないって思えて、毎日悔しいんです。でも、そういう「悔しい」って気持ちが、「もっともっと」って思える原動力だと思う。だから今、心から「悔しい」って思えるみんなと、一緒に舞台に立てることがすごく嬉しい。そんな今を大切にしたい。それが、観てくれる人にも少しでも伝わったらいいなぁと思っております!


ままごと『わたしの星』

2017年8月17日[木]‐27日[日] 三鷹市芸術文化センター 星のホール 作・演出|柴幸男

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